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July 28, 2004

対立と協調の科学

ロバート・アクセルロッド,「対立と協調の科学」,ダイヤモンド社,2003年.

■エージェント・ベース・アプローチについて

エージェント・ベース・モデリングは第3の科学的アプローチである.それは,演繹法と同じで,まず明白な一連の前提と共に始ま
る.しかし演繹法と違って,定理を証明するのではない.そうではなしに,エージェント・ベース・モデルが生み出したシミュレーション結果のデータを帰納的
に分析する.また,典型的な帰納法と違って,シミュレーションで得られたデータは現実世界を直接測定した結果というよりも,厳密に定められた規則から得ら
れたものである.帰納法の目的がデータからパターンを見つけ出すことであり,演繹法の目的は前提の結果を見つけ出すことであるのに対して,エージェント・
ベース・モデリングの目的は,直観を助けることである.(p.4)

AxelrodとかEpsteinのモデルを構築していくときの構成的な(?)アプローチは,読んでいてすごいと思う.
なんていうか,美しいというか.説得力があるんだな,妙に.
ここは見習おう.

■モデル間のドッキング,alignmentのはなし

われわれが関心を抱くのは,もっと一般論的な,やっかいなケースであり,別々のメカニズムを組み込んだ2つのモデルが,投票行動であれ,態度の形成であれ,組織の集中化であれ,同じクラスの社会現象を見せる例である.(p.239)

この論文読みたかったので,これだけでも本を買った価値があったと思った.
validityのはなしは難しい.これは内面(内部)のはなしだけど,外面のはなしはそれより難しそう.
文献読むか.けど英語の本しかないんだよな.せめてjournalだと入手が楽なのだけど.

あと,この本ではp.269からの”エージェント・ベース・モデリングの資料”がすばらしい.
心得のところをシミュレーション班の人はプログラムを組む前に読むべし.

関連:What is Complexity
一応確認のためGell-Mannの論文をチェキしとこう.

Posted by ysk5 at July 28, 2004 05:45 PM