« サッカー観に行ってきます | Main | 社会人の人と飲んできた »
July 30, 2004
日本の優秀企業研究
新浜 浩朗,「日本の優秀企業研究」,日本経済新聞社,2003年
あんまり面白くなかった.
本家ビジョナリー・カンパニーのようにしっかりデータを出して,どの企業が優秀で,どの企業が優秀でないのか,その明確な基準と比較の記述が欲しかった.
優秀企業リストを出さないのは,”ビジョナリー・カンパニーは10年後にはダメポになっている法則”からの非難をかわすためでしょうか.
以下メモったところ.
また,この研究に当たっては,あえて,既存の経済学・経営学の理論を一旦忘れて,事実を淡々とただひたすらに調べまわることに
よって優秀企業の共通要因を引き出す徹底した「帰納法的」方法を採った.それは,理論的仮説を持つと,それが正しいことを証明しようといて,実証の方法や
経営者との意見交換のやり方にバイアスがかかり,真の「本質」が描き出せなくなることが多いと考えたからである.(p.21)
こう書かれてしまうと,観察の理論依存性とか書きたくなる.
縦割りの事業部間に横串を通すマトリックス型の組織の試みは,実態上縦割り組織の有形無形の抵抗に遭い,実行があがらないことが 多い.社員は縦割り組織で日常の業務をこなしており,会社横断的なテーマの業務が日常の仕事とぶつかれば,日常業務を優先するであろうから,横断的なテー マの業務をこなすには時間をやりくりするのが大変である.氏は横串の委員会の長に専門の人材をあてれば,縦割り組織の抵抗で浮いてしまう恐れがあると考え たのである.だから,縦割り事業部のトップを兼任で横串の委員会の長に持ってくれば,そうはいかなくなると判断した.もし抵抗すれば,自分がトップを務め る委員会の改革案も受け入れられなくなる恐れがあるからである.(p.149)これはキャノンのはなしだけど,ゴーンさん@日産でもたしか同じようなことやっていたような気がするな.クロスファンクショナル組織だっけ? このての記述としてしっかりまとまったものだったので,メモと.
Posted by ysk5 at July 30, 2004 05:08 PM