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August 01, 2004

キャズム

ジェフリー・A・ムーア,「キャズム」,翔泳社,2002年

マーケティングは詳しくないので,新しいことが多くて結構メモった.
これはもう少し早い時期に読んでおくべき本だったかもしれない.

■マーク・トゥエインの言葉

このようなときに犯しやすい最大の過ちが---逃げ場あるいは安心材料を求めて---数値情報に頼ろうとすることだ.「嘘には3
つの嘘がある.普通の嘘,とんでもない嘘,そして統計」というマーク・トゥエインの言葉はつとに有名だが,マーケティングに関する数値データについても,
それが新種の嘘でないかどうか,十分に注意する必要がある.(p.146)

この言葉,さいきん本当に身にしみてわかるようになってきた.

■ポジションステートメント


これは,
(1:現在,市場に流通している代替手段)で問題を抱えている
(2:橋頭堡となるターゲット・カスタマー)向けの,
(3:この製品のカテゴリー)の製品であり,
(4:この製品が解決できること)することができる.
そして,(5:対抗製品)とは違って,
この製品には,(6:ホールプロダクトの主だった機能)が備わっている.(p.251)

このテンプレートはエレベータ・セールスでも使えそうだな.

■キャズムを越えるには

最初の戦術は攻略地点の決定である.これは,ターゲット・カスタマーを決定し,「購入の必然性」を導き出すことを意味する.次に
とるべき行動は侵攻部隊の集結である.これは,パートナーや提携企業と協力してホールプロダクトを構築することを意味する.三番目の戦術は戦線の見定めで
ある.これは競争を作りだし,その競争相手との対比の上で自社をポジショニングすることを意味する.そして最後は,作戦の実行である.これは,販売チャネ
ルを選定し,その販売チャネルを動機づけるために価格を設定することである.(p.342)

中身的にはランチェスター戦略とかと共通するところもあると思う.
ホールプロダクトの概念ってのがなかなか新鮮だった.

Posted by ysk5 at August 1, 2004 10:42 PM