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August 10, 2004

サイコロジカル(下)

西尾維新,「サイコロジカル(下)曳かれ者の小唄」,講談社,2002年.

このシリーズはミステリの体裁をとっているだけで.
いわゆるガンダム的な感じでありまして.(MS乗ったりするのは,大人の都合的な)
帯にもあるように”新青春エンタ”がメインなわけで.

たぶんメインのほうに関わる.以下の長段落はチェックしておいた方がいいであろうということで,メモ.
クソ長いけどな.

決断することが嫌いでした.何かを選ぶことが嫌いでした.他人に興味が持てませんでした.自分に興味が持てませんでした.人と競 うのがいやでした.人と争うのがいやでした.笑われるのがいやでした.笑うこともできませんでした.泣くこともできませんでした.楽しむことも怒ることも できませんでした.何もできませんでした.何も感じませんでした.何も手に入りませんでした.手に入らないから壊しました.手に入れたかったけれど壊しま した.欲しかったから捨てました.信じたかったから背徳しました.好きだったから否定しました.守りたかったから傷つけました.心地よかったから逃げ出し ました.仲良かったから孤独でした.羨ましかったから潰しました.必要なものは不必要になるまで.好きなものは嫌いになるまで.冷めている人間の振りをし ました.達観している人間の振りをしました.悟ったような人間の振りをしました.賢い人間の振りをしました.道化な人間の振りをしました.人間の振りをし ました.自分以外の誰かの真似ができませんでした.自分以外の誰かに憧れました.自分が嫌いでした.自分を好きになろうとしました.自分以外の誰かを愛そ うとしました.自分以外の誰かを愛せませんでした.自分を愛せませんでした.愛し方も愛され方も平等に分かりませんでした.だから逃げました.だけど逃げ られませんでした.どこからも.誰からも.(p.199)

Posted by ysk5 at August 10, 2004 12:13 AM