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August 30, 2004

詭弁論理学

野崎 明弘,「詭弁論理学」,中央公論新社,1976年.

詭弁の類型が示されているのがよかった.
二分法は現実で(詭弁を)使うときに結構使えそうだ.

強権をふるっての,あるいは「悪魔のイメージ」を利用した二分法は,今でも各所で使われている.「あいつはアカだから気をつけろ」とか,「保守反動」「曲 学阿世」「裏切り者」「XX主義者」などというレッテルによって,相手の発言(あるいはその効果)を封じ込めようとする作戦は,そういう言葉に悪いイメー ジを持っている人たちに対して,非常に有効に働くからである. (p.38)
最後に,詭弁術に押されない,また気づかずに詭弁を操ったりしないための「心構え」を,要約しておこう. 【原則1】無理やり説得しようとするな. (中略) 【原則2】時間を惜しむな,打ち切るのを惜しむな. (中略) 【原則3】結論の吟味を忘れるな. (中略) 【原則4】「わからない」ことを恥じるな. (中略) 【二分法に対して】 (1)中間的な場合を考えなくてよいか. (2)開き直ったらどうなるか. 【相殺法について】 (1)相殺される事柄の,バランスはとれているか. (2)バランスがとれていないとしたら,どんな点での違いが重要か. 【消去法について】 (1)消去の仕方は乱暴でないか.見おとされている場合はないか. (2)結論は受け入れられるか. 【ドミノ理論について】 (1)【将棋倒し】が本当に起こるのか.その現実性はどれくらいか. (2)ドミノ理論に従うための労力(プラス副作用)と,期待される結果(あるいは予防効果)とのバランスはとれているか. (p.121-123)

Posted by ysk5 at August 30, 2004 11:53 PM