« 金曜日に半額セールをやるレンタルビデオ屋さん | Main | 今夜はパラシュート博物館へ »

September 11, 2004

Φは壊れたね

森博嗣,「φは壊れたね」,講談社,2004年.

1.1段組である
2.ページ数が少ない
3.西之園萌絵分が足りない
4.犀川創平分も足りない

次は”θは遊んでくれたよ”らしいです.


「そんな協力は誰も求めていない.警察が推理をしてくれって言ってきたかい?推論が事件を直接解決することはないんだ.法治国家において,それはあっては
ならないことだといってもよい.推論とは,その推論を組み立てた本人にとっては真実でも,他の者にとっては,あくまでも一つの予測,あるいは予感にすぎな
い.そんなもので,犯人を指摘することは,極めて原始的であり,封建的な社会で横行したある種の犯罪と考えても,けして間違いではない.」
(p.258)


ときどき,あれ?という小さな障害物に出くわす.そこでストップし,その謎を放置するか,少し後戻りして,それを取り除く作業を優先するか,を判断するこ
とになる.謎をわざと残しておく手法もあるだろう.そもそも,謎だと思うこと自体が主観であり,基のデータには,客観的な謎が存在しているわけではない.
多くの場合,それは単なる勘違い,すなわち,記憶間違い,あるいは見込み違いによって見かけ上生じている.
一方,謎が解消するという概念もまた,単なる思いこみ,あるいは推論による納得,それとも,最適な解釈による妥協でしかない.自分の中で,何かが歩み寄っ
た結果だ.
(p.284)

Posted by ysk5 at September 11, 2004 11:14 AM