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December 16, 2004
出口(2004)
出口 弘,”エージェントベースモデリングによる問題解決---エージェントベース社会システム科学としてのABM---”,オペレーションズ・リサーチ,Vol.33,pp.161-167,2004年.
出口センセの文章は日本刀のような鋭さとスペインのカルメンのような情熱とを併せ持っているように思う.
このABMの発展の過程では,これらの研究プログラムはオペレーションズ・リサーチ(OR)と交流することはほとんどなかった.それどころか,マクロな機 能要件を問題とするシステム理論との交流も必ずしも十分とは言い難い.ボトムアップというコンセプトをABMや,複雑適応系の研究プログラムは強調するあ まり,組織化された複雑性に関する従来の諸知見や機能的な視点からの社会や組織のシステム的味方との結びつきを欠いてきた. (pp.161)
日本でも,様々な領域でこのような政策指向のエージェントシミュレーションの試みが行われるようになってきた.共通していえるのは,よいORのモデルがそ うであるように,モデルは数理であろうがシミュレーションであろうが,対象となる領域知識を十分に持った研究者によって開発されねばならないということで ある.その意味では,この種の研究プログラムは,サイバネティクスやシステム理論,ORの正当な後継プログラムである.ただその扱う範囲がよりソフトな社 会人間の現象を含むようになることが期待されており,その意味でソフトなアプローチにたいする視座をも欠くことはできない. (pp.164)
Posted by ysk5 at December 16, 2004 10:25 AM