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January 08, 2005

内側から見た富士通 『成果主義の崩壊』

城 繁幸,「内側から見た富士通 『成果主義の崩壊』」,光文社,2004年.

なかなか面白かった.
富士通にエントリーしてみて説明会で聞いてみよう.
いや,これについて聞くためにエントリーしよう.

内容について.
富士通 『成果主義の崩壊』よりは富士通 『の崩壊』に近い内容だと思う.
以下の当たり前のことができていない.
1.ツールやテクニックを導入するときに,ローカライズをする
2.ツールやテクニックの趣旨にそった運用を行う
SIやっててソリューションなんたらとかで食べているなら,当たり前のことだと思うのですが.
それともシステムはぶち込んでしまえばうまくいくとお思いですか,そうですか.

香ばしい人の発言メモ.

しかし,さらに富士通のイメージを傷つけたのは,なんと当時の社長・秋草直之氏の発言だった.
「くだらない質問だ.従業員が働かないからいけない.毎年,事業計画をたて,そのとおりにやりますといって,やらないからおかしなことになる.計画を達成
できなければビジネスユニットを替えればよい.それが成果主義というものだ」(『週刊東洋経済』2001年10月13日号)
(pp.9)

これ,聞きます.かならず.
しかしドビックリな社内ですね.
一例をあげると,富士通のイントラネット上には,誰でも自由に発言できる社内掲示板noticed
boardがある.そこでは,新規ビジネスプランから,人事制度に関する議論まで,オープンに幅広く行われている.しかし,この掲示板を,人事が裏でガッ
チリと管理していたのだった.だから,人事制度に批判的な従業員はピックアップされ,ブラックリストに追加listingされる.ちなみにこの掲示板は,
人事部門のなかでは「ゲシュタポ掲示板」と呼ばれていた.
(pp.161)

こういう記述を見ると,VSM or VSDの出番だなと思う.
彼らも当然「目標管理」を実施しているが,そもそも彼ら事務系の「目標管理」とはなにかということに,誰も疑問を呈さないのであ
る.その結果,彼らの業務の本質が「いかにムダなくかつ迅速に各部門の現状を報告するか」であるのに,「以下に高い利益を出すか」という会社の最大のテー
マまで背負い込んでしまう.(pp.118)

しかし,富士通では,どこを探しても,この「未来」がなかった.自分は,この会社のなかで,どんな役割を担ってtake a
role
inいるのか,どうしたら貢献contributeできるのか,そしてその結果,どんな「未来」が待っているのか.こういうことが,まったくわからなかっ
た.ただ,暗闇のなかを歩いているwalking in the darkようだった.(pp.186)

Posted by ysk5 at January 8, 2005 09:57 AM