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January 27, 2005
犬は勘定に入れません あるいは,消えたヴィクトリア朝花瓶の謎
コニー・ウィルス(著),大森 望(訳).「犬は勘定に入れません あるいは,消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」.早川書房,2004年.
タイトルだけでご飯3杯食べられます.
序盤100ページを過ぎたあたりからグイグイひっぱられる面白さ.
この本は面白いバックトゥーザフューチャーです,簡単に言うと.
キーワード:猫,犬,金魚,執事,ボート,カオス系,鳥株,教会,歴史,じゃじゃ馬ならし
ということでメモ.
はじめてタイトル部の”犬は勘定に入れません”が出てくるのは100ページちょいまえ.
このあたりから物語が駆動し始めると.
テレンスは僕の連絡相手じゃない.マッチングズ・エンドで僕がなにをすることになっているのか,テレンスはなにも知らない.もし
行き先がマッチングズ・エンドだとしても.もしかしたらそれだって勘違いかも.僕は見ず知らずの時代人と---犬は勘定に入れずに---行動をともにして
しまい,本来の連絡相手は駅のホームだか線路だか艇庫だかで待ちぼうけを食っている.そこに戻らなければ.()pp.96
よくあるパターンメモ.
『いつだって執事が犯人だもの』と,シリルに似た毛皮を肩にかけていたご婦人はいった.『最初の事件だと思ったことが第2の事件
だったと判明する.最初の事件は何年も前に起こっていたのよ.最初の事件があったことさえだれも知らなかった』最初の事件.犯罪を実行した人物さえそのこ
とを知らない犯罪.
(pp.474)
歴史をシステムとしてみるとカオス系,という話から.
「そのとおり.どう見ても無視できる存在だから,だれも気にとめないようなもの.シミュレーションの問題はそこなんすよ---関連性があると思われるディテールしか含まれないから.でも,ワーテルローはカオス系だ.あらゆるものが関連してる」
(pp.528)
Posted by ysk5 at January 27, 2005 11:50 AM