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February 03, 2005
ダックスフントのワープ
藤原 伊織.「ダックスフントのワープ」.文藝春秋,2000年.
藤原さんはこういうのもかけますか.
短編集なんだけど,全部たのしめた.
ちょっと思ったのだけど,藤原さんの作品にはいい意味で音がない(静かな)ような気がする.
それが作品自体の雰囲気を高めているような.
あと,日本語がうますぎる.
そんな話とは関係なく,メモ.
「いいかい.人はギリギリのところまでいったら,いつだって独りぽっちでなにかを決めなきゃいけないときがくるんだ.ほんとうに心に思う人であっても,親
友でも,受けとる受けとらないは別にして,傘を提供するかしないか決めるのは,結局,自分自身しかないんだ.いつか,きみにもそういうときがやってくるか
もしれない」
(pp.112)
「あんた,むかしから変わってないなあって.そう思ってたの.だっていつでもそうだったもんね.世間になんか興味ないって顔してたもん.だから,むかしの
友だちが死んだって興味ないんだ.あんた,いつも周りを観察してるだけだったもんね.自分がどうしたら世間と関係ないとこにいられるか,そればっか考えて
いたんだよね」
(pp.145)
Posted by ysk5 at February 3, 2005 09:39 AM