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February 26, 2005
グアルディア
合宿前に時間に追われながら読んだのだけど,おいしゅうございました.
かなりボリュームがあるのに,うまく構成してまとめきっている気がします.
このフルコースはよくできてますよっと.
これは,愛の物語で,物語は愛なのです.
運命とか目的とか,そんなことでは規定させなくて,愛はそれだけで愛なのであり,それゆえに愛なのです,ということっぽい.
結末は最初から決まっていた.彼女たちが愛を知ったことに意味はあったのか.何も変えられないのなら,愛に意味などあるのか---」pp.416
「きみゆえに死ぬのではない.きみゆえに生きてきたのではない.だから愛は無意味だと,或いはこれは愛ではないと……だが,これ
は愛だ.愛以外の何ものでもない.私は間違っていた.何も生み出さなくとも,何も変え得なくとも,愛はそれ自体意味がある.虚しいだけの生だと思い込んで
きたが,最後に気づくことができた.こんなにも,きみへの愛で満ちている」pp.440
今この本を手にしているあなたが,どうか楽しんでくださいますように.物語のために細部に力を尽くし,細部のために物語に力を尽くしました.まんべんなく味わっていただければ幸いです.pp.470
娯楽とか愉悦とかの一側面.
進歩とは何か.他者を押し退け,変化させ,破壊する行為だ.やがては己をも変化させ,破滅へと導く.その原動力となるのは,すなわち自己の優越を証明した
いという妄執だよ.その妄執から人間を解き放ってくれるのは,宗教や道徳なんかじゃない.ほんの少しだけ劣った他者の存在だけだ.管理者はそう考えた.329
Posted by ysk5 at February 26, 2005 03:59 PM