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March 01, 2005
高原 et al.(2002)
高原 康彦,Ebai Riu,木嶋 恭一.”組織の適応行動---定式化アプローチ”.経営情報学会誌,Vol.11,No.2,pp.1-17,Sep. 2002.
組織を意思決定のレベルから3層化して,組織の適応行動について,定式化を行っている.この定式化に基づいて,内部モデル原理と最小必要多様度について,理論的な説明を加えている.
ここで[1]として参照されているのがCarleyのCMOTの論文であることからも,このあたりの研究の流れと計算組織論との親和性は非常に高く,さらに両者のアプローチは相補的であることも,たとえばTakahara(2004)からも明らかだ.
ここでは”異端”的なアプローチであると自認している.たしかに経営組織論の文脈においては主流は実証研究であるが,それではメカニズムが分からないことから,定式化とかCOTとかのアプローチが必要になってくる.
そういった意味では異端であることはチャンスであることと同義であるといえるのではないか.
コンピュータでの実現は,対象に対する定式化の1つの形態であるから,経営情報での理論と実践との間のセマンテックギャプを減らすためには,形式化された
理論が必要となる.このような趣旨から,筆者等は,経営,組織に対する形式化アプローチを試みている.伝統的な経営学,組織論の研究者からは,このような
方法は異端に見えるかもしれないが,筆者等の努力は独立したものではなく,参考文献[1]のような,新しい経営組織論の運動も起きている.
pp.2
”適応”という言葉を使うとき,その定義が重要になる.
ここでは組織目標を適切な(最適な)全体目標に変換することが適応行動の礎であるとしている.
適応行動は多様であり,単純な1つの形に表現することは困難である.この論文では,組織適応行動の定式化理論の始まりとして,組織に与えられた目標(組織
目標)G(u_e,y)を,環境に適応して,操作化された全体目標G_x(y)に変換するメカニズムの考察を定式化された枠組の中で行う.操作化された全
体目標は,組織層に伝えられ,組織層は,統合を行うと同時に,その全体目標の実現が管理活動の目標となる.
pp.3
Posted by ysk5 at March 1, 2005 12:59 PM