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May 03, 2005

雲のむこう,約束の場所

新海 誠. 「雲のむこう,約束の場所」.2005年.

厳窟王のついでにかりてきたもの.
いちおう,システム論専攻の人間的には,物語の深層構造を読み取ろうという意図を持ってして,鑑賞する訳だけど,難解だ.

まず,二元論的に理想としての彼岸と現実としての世界を対比しているのではないかなと思った.
として考えるとき,彼岸の象徴である塔を破壊することは,つまり,理想に溺れることからの脱却という,いわゆる思春期から青春期への成長を示しているのか.
途中,塔の影響力が高まるのは,つまりはモラトリアムである考えのわたしという世界への侵攻を意味するのか.
うーん.よくわからん.

深層構造にこだわりたいのは,物語を書く作者の意図を感じたいから,というのが大きい.
ある物語でもってして,書かれていることと,伝えたいことはイコールである必要はなくて.
むしろ,伝えたいことを伝えるために書くというのが真であろうと,ぼくは思う.
だからして,作者の意図と意志を感じることができない自分を恨む.

Posted by ysk5 at May 3, 2005 11:04 PM

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