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May 27, 2005

寺野(2002)

寺野 隆雄,國上 真章.”社会経済システムとエージェントシミュレーション”.社会・経済システム,No.23,43-49,October,2002.

どこかで読んでいそうなはなしといえばそうであるが.

なんというか,このへんのはなしが,当該分野外のひとにわかってもらえていないような気がする.
であるとすれば,やはりそれなりに力点を置いた説明をする必要があるということか.

エージェントシミュレーションは,現象のある側面の「理解」とその「実行」にすぎない.しかし,理論の補完として,あるいは理論を補完として用いることにより,既存研究のフロンティアを大きく前進させる能力を持っている.
寺野(2002) pp.44

これについては,ぼくはいままでしっかりと発表等で説明していないな. # 力点を置いて
なるほど,これを説明するのとしないのとでは,やはり受け手の反応が宇宙人か地球人との出会いかくらい,異なるのではないかと,そう感じた.
エージェントシミュレーションでは,モデル化可能な要素が組織的現象を生成できるかどうかを検証することができる.ただし,ここでのモデル化可能な要素が,既存の組織研究,社会研究からの成果を基礎に設計されていることが計算組織理論の重要な観点である.
寺野(2002) pp.46

Posted by ysk5 at May 27, 2005 11:15 PM

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Comments

申し訳ないですが、
GTさん教えてください。
ABMのロバストはなんですか?
うまく説明ができない人用の解説をお願いします。

Posted by: FRYD at May 28, 2005 09:59 PM

>FRYD
なんかやたらにチャレンジングな質問であるな.
でもお酒飲んで気持ちいいのでかいてみる.

つか,ロバスト(頑健)って言葉が難しいな.
ここでは,validationと同様の”確かさ”という程度の意味でもって考えて,展開をしたい.

ABMはその意味では,結果におけるロバストネスを保証するアプローチではなく,メカニズム(振舞いを実現する仕組み)においてロバストネスを保証しているといえる.

たとえば,エージェントそれぞれの行動規則自体は,たとえば心理学や行動科学,経営学等の領域においていわれているようなものに基づいてモデル化されている.

が,そのエージェント系によって実現される振舞いについては,多分に複雑であり,創発的な現象であるが故に,その結果においてロバストネスは期待できないのが現状である.

がしかし,その現象を創発させる仕組みについての理解が深まることは,不確かで複雑な事象の理解へとつながると思う.
というか,その形でしか,少しでも確かな知を得ることが難しい.

つまり,結果においてロバストでないような領域においては,仕組みにおいてロバストネスを保証し,それでもってして,問題にアプローチするしかない,というのがABMerの意見かな.

以上,推敲してないから微妙かも.

Posted by: ysk5 at May 28, 2005 11:32 PM

あざーす!!
参考になりまひた。
うまく伝えることができればいいんだがなぁ。。

Posted by: FRYD at May 29, 2005 09:41 AM

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