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May 29, 2005

木嶋(2002)

木嶋 恭一.”ソフトシステムアプローチ”.社会・経済システム,No.23,pp.51-64,October,2002.

いつかどこかで見た神レジュメの正体はこれだったのか.

ソフトシステムアプローチを主にSSMを通じて説明し,マルチメソドロジーな介入方法について,その特徴をまとめている.
システム論プロパーでなくても,ソフトなアプローチをする人はぜひはじめに読んでもらいたい論文だと思う.

木嶋センセによるシステムアプローチの定義づけ.
この定義は,アプローチをある種の方法論的な側面に焦点を置いている定義のしかたであると思う.わりとかっちりとした定義であるな.

システムアプローチとは,筋道を立て論理的に抜け目なく手順を追って解決を進めるという意味で体系的(システマティック)で秩序だったアプローチをいう.また,アプローチとは「対象の本質に迫る,あるいは問題を解決する仕方,考え方,態度,方法論」を意味する.
木嶋(2002) pp.52

アコモデーションについて.
ぼくはすこし合意に近い意味で使っていたことをメモするとともに反省する.ある種,同意・許容という概念に近いのだな.方向性について同意というような感じか.

ここで,アコモデーションとは,集団による意思決定状況での「複数意見の一時的な共存並立状況」であって,様々な価値観が並立しながらそれぞれが他を受け
入れている状況を意味する[25].アコモデーションは,利害や価値観が一点に収束している合意(コンセンサス)達成の状況とは異なる.それは,他者の価
値観が自らのそれとは違っていることを認め理解した上での多様な価値観の共存であり,いわば「呉越同舟」「同床異夢」といった状況である.そこでは,人間
が関与する事柄に常にまとわりつく対立はそのまま存在するとしても,その対立が異なる見解をもつ人々によって「ともに事に当たろう」とする状態の一部とし
て取り込まれている.このように,アコモデーションは,価値観の分散とその緩い一時的な結合(ルースカップリング)であり,それをリードする役割を担う主
体は固定的ではなく,場面場面において異なった価値観が主導権をとるのである[25][26].
木嶋(2002) pp.56

ちょっと思ったけど,アコモデーションとはつまり,plural(多元的)な状況であるということに他ならないような気がする.アコモデーションの実現のためには,coerciveな状況でない,ということが条件として入ってくるような.
なるほど,少し頭がクリアになった.であるからしてSSMなのだな.

Posted by ysk5 at May 29, 2005 09:40 PM

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