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June 10, 2005

北村(2000)

北村 新三,角田 譲,村尾 元,後藤 淳,小薮 正哉.”逆問題としての設計論と創発的計算法の適用”.計測自動制御学会論文集,Vol.36,No.1,pp.90-97,2000.

このへんのはなしはシステム論を”設計”のために利用するときにどうするよ?という,今のシステム屋さんの問題が書かれていて,非常に興味深い.

順問題と逆問題について.
工学者そして,制度設計や意思決定支援を考えるような研究をしているひとは,逆問題のほうに関心がある.


すでに論じられていることであるが,ここで我々工学者が日頃直面している問題を広い意味で順方向問題と逆方向問題をまず区別する1).順方向問題とは,物
質や物体や環境がまず存在して,時間発展とともに何かの物理的現象が生じる過程と理解することにする.いうまでもなくこれは原因から結果が生じるという因
果的過程であり,物理あるいは化学などの確立された諸々の理論はこの過程を記述しているものである.他方,人工物の設計や製作というのは,何か望ましい目
標(工学の言葉でいえば仕様)が与えられていて,これを満足するような物質や物体あるいはソフトウェアを作ることであり,これは因果的過程ではなく,これ
を逆方向問題と呼ぶことにする.
北村(2000) pp.90

逆シミュレーションによるアプローチは,下の方法の最たるものだと思う.
で,この考えと学習という考えってのはとても相性がいいと,そう思う.
つぎに,このような逆方向問題を人間が解く過程は,順方向写像の繰り返しによる収束の過程であるとの立場を明確にし,ここでの人
間の役割が構造の選択とそれのもつ機能の比較であるとして,この過程を計算機化することの数学的意味を述べ,具体的に創発的計算法を適用する場合を考察す
る.すなわち,逆問題を解く方法はいろいろと考えられるであろうが,ここでは創発的手法により新奇な構造などを発見できるとする立場である.
北村(2000) pp.91

Posted by ysk5 at June 10, 2005 10:52 AM

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