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August 20, 2005
内部モデルについて考えてみたけど,当然だけど内容に保証などできないよ.ドラフトのドラフトレベルの書き殴りだもの.
08/10にあったセノタンゼミでも少し話題にあって,その時には少なくとも2つの種類に分類できそうだよね,というはなしになっていたのだけど,これについてお仕事中に暇だったので考えをまとめてみたのでメモる. # ビールも飲んでいるし
■内部モデルとは
内部モデルについては,なかなか適当な定義がないので以下をひかせていただく.
これに対して、多主体複雑系の枠組みでは、単純な2項対立的視点ではなくシステムと環境の融合に重点を置き、システムと環境の識別というよりむしろ環境とシステムの一体性・融合が強調される。すなわち、この立場では、環境は客観的に外側に存在するのではなく、主観的知覚的な内部モデルとして意思決定主体(エージェント)の中に認識され、意思決定や行動の際にはこれが主体によって参照されるとする。ここで、内部モデルとは、意思決定主体(エージェント)が自らとの関係を含む周囲の状況を知覚し解釈して、自らの内部に構築した像(モデル)を意味する。意思決定主体(エージェント)が意思決定や行動の際には、この主観的な内部モデルが主体によって参照されるとするのである。http://www.valdes.titech.ac.jp/~kk-lab/ds/intro/ds_intro.html
ここで考える内部モデルとは主体が意思決定のさいに参照するモデルであるとする.より具体的にいうならば,主体の世界観(環境と主体に関しての仮定の集合)とルーティン(意思決定ルール)が内部モデルを構成するとする.
環境と主体に関しての仮定について具体的にいうならば,環境はこうなっているという考えや,いまある問題状況とはこういうものであるという考え,こうしたらこうなるという思いということができそうだ.より具体的にいうならば,あるテストに対して合格するにはどのくらいの勉強が必要であるか?とか,このタイプの問題を解答できるようになるためにはどういった勉強が必要であるか?とかいう仮定である.
ルーティンあるいは意思決定ルールとは,ある状況と主体が下す意思決定案を結びつけるものである.具体的にいうならば,この問題にはこの解法で対処するとか,この問題が来たら解かずに飛ばすというようなルールのことである.
# わりとSDerなMental Modelの定義に近い考え方だな
通常の文脈で組織学習というと,内部モデル(あるいはメンタルモデル)の学習(変更,改善,改訂)のことを指すと思う.ポイントとしてはリソースやケイパビリティはこの議論においてスコープ外であるということか.
■内部モデルの分類
たとえば(1)を主体による問題状況をシステム(モデル)として認識したものとする.
(1) : y = a_1 x_1 + a_2 x_2 +a_3 x_3
a_i : 定数,x_i : 意思決定変数
# x_iには変域が存在する
ここでyの最大化を考えるとする.
とすると,内部モデルの学習の内容としては次の4種類が考えられる.
- (1)のように最大化問題として問題状況をモデル(システム)とする認識を変える
- x_iの変域を変化させる
- a_iの認識を変化させる
- x_iの値を変化させる
1.についてはこれを変更することを許すと,工学的な扱いができなくなる(制御,管理という目的が果たせなくなる)ので通常は考えないことが多いと思う.でも,概念としては当然あるので分類はしておく.説明としては主体は問題状況をシステムとして認識して意思決定をするのだけど,この問題状況の認識自体を変更することも学習の一つとできるということで,(1)を最大化問題から最小化問題とすることや定数や変数の構造自体を違ったものとして認識しなおすことがあげられる.
2.からは多少acceptableな感じになってくると思う.x_iの変域を変えることは問題状況に対しての認識を積極的主体的に変更する試みである.問題の構造を捉え直すことで,たとえばx_iの変域が正の数であるとした認識から負の数であると変えるような学習で,こうなると問題の構造はまったく変わってしまい,yの取りうる領域も変化する.
3.は問題状況から規定される定数部分の認識を変更する学習である.
4.は意思決定変数を定められた変域内で変化させる学習である.これってOR(Operations Research)ね.
■わかりやすいかもしれないケースによる内部モデルの分類についての説明
私は1週間後に英語のテストを受けます.できるだけいい点を取りたいです.
と,ここで単位を取れればいいと目的を変更することが1の学習.
私はテストにでる範囲を考えて,分類しました.分類したそれぞれの範囲について勉強していきます.ただ,私には1週間しか時間が無く,バイトや他の科目の勉強もしなければなりません.時間は限られています.とうぜんやった時間に比例してテストも点が取れると思います.
と,ここでバイトや他の科目の勉強の時間を調整して,勉強できる時間を変えるのが2の学習.
テストではどうやらそれぞれの範囲がまんべんなくでるのではなく,偏りがあるようです.でも先生はどの範囲が重点的にでるのかは教えてくれませんでした.
と,ここでどの範囲が重点的にでるのか,という認識を変更するのが3の学習.
勉強できる時間とテストででそうな範囲の予想ができました.でも,私はこれから勉強の計画を立てて,制約条件下で一番高い点数をとれるようにしたいです.
このときにどの範囲にどれだけの時間を費やすかが4の学習.
■お仕事の時にいたった結論は
結局,設計者は当然自律的な意思決定主体を考えるときに,学習するスコープ(内部モデルの内容)について検討することが必要だよなということ.
考えついて喜んでかいてみたはいいものの研究にダイレクトにつながる形での紹介は微妙なのでできないから,この記事もまた微妙な感じに仕上がってしまったな.酔っぱらいクオリティということで,まあいいか.
Posted by ysk5 at August 20, 2005 09:14 PM
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