« 寺野(2004) | Main | 喜多(2004) »

December 26, 2004

生天目(2004)

生天目 章,”特集 エージェントベースアプローチ エージェントシミュレーションによる制度設計”,計測と制御,Vol.43,No.12,pp.932-937,2004.

第3の道関連メモ.
この説明いただきです.そこそこ素養のある人にたいして説明するときには,これを使おう.

従来の制度設計の問題は,外部から知ることのできない個人のさまざまなインセンティブ(誘因)に左右されないような制度のあり方について探求をしてきた. 制度設計の問題は,個人と全体の意思決定の問題でもある.意思決定の研究は,規範的な(normative)アプローチと記述的な (descriptive)アプローチとに分類できる.規範的な意思決定論では,合理的な意思決定とは何か,どのような意思決定をすることが理想的かなど について明らかにする.記述的な意思決定論は,どのような意思決定が実際に行われるのかを実証的な観点から明らかにしようとする.これらのアプローチ以外 に,指針的な(prescriptive)意思決定論がある.個人の認知上の制約や合理性の限界などを前提に,どのような意思決定をすればよいのか,個人 に対し適切な助言をすることを目的としている.このためには,エージェントシミュレーションによる手法は不可欠である.異なる個人のインセンティブが連鎖 されることで,全体としてどのような結果を生むのか,全体のパフォーマンスを望ましいものに誘導するには,個人レベルでどのような自己規制が求められるか などを明らかにすることで,1人ひとりに良心の回復を訴えることができるといった効果などが期待できる. (pp.937)

Posted by ysk5 at December 26, 2004 10:13 PM