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March 05, 2005
愛人
マルグリット・デュラス(著),清水 徹(訳).「愛人」.河出書房,1992年.
エロいです.
作品自体も映像的な書き方がなされていると思った.
その辺が,少し読みにくさへとつながっているきらいがあると思うけど,トータルとしてはおいしゅうございました.
話をまとめてみる.
”であるべき”ということを演じ続けているのだと,その当時は思っていた.が,いま,わたしは”であった(である)”ということに気がついた.そう,2人は愛人だったのだ.彼はわたしの愛する人だったのだ,と.
そして娘は,まるで自分も自殺しようとしているかのように,自分も海に身を投げようとしているかのように,すっくと立った,それ-----
から彼女は泣いた,あのショロンの男のことを想ったからだった,そして彼女は突然,自分があの男を愛していなかったということに確信を持てなくなった,-
--愛していたのだが彼女には見えなかった愛,水が砂に吸いこまれて消えてしまうように,その愛が物語の中に吸いこまれて消えていたからだ,そしていまよ
うやく,彼女はその愛を見出したのだった,はるばると海を横切るように音楽の投げかけられたこの瞬間に.
pp.180-181
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Posted by ysk5 at March 5, 2005 01:08 PM