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May 05, 2005
自分の研究についてわかりやすく説明してみる(1)
さて始めたい.
今回から何回かは,研究の説明のための前提知識の説明をしたい.
本当は森を説明してから木を説明すべきだけど,森の説明はきょう考える時間がなかったから,しない.
きょうはコンティンジェンシー理論の説明.
企業という組織には構造としての特徴が見られることがある.
たとえば,Big
BlueなときのIBMに代表されるような官僚的な組織.いまの日産のクロスファンクショナルな組織やITベンチャー企業に見られるようなネットワーク的
な組織など.
それぞれになぜ特徴が見られるのだろうか.
こんな疑問からの研究がコンティンジェンシー理論の発端にある.
ある業界には支配的な組織の構造がどうやら存在するということが,調査からわかった.
さらにそれぞれの業界の特徴によって支配的な組織の構造のタイプが異なることがわかった.
コンティンジェンシー理論とは,組織の外部の環境の特徴によって,その環境に適した組織の構造が異なるとする理論である.
ここで環境とは,組織を取り巻く競争状況であったり,市場や景気の動向のことだと理解してもらってかまわない.
ぼくの研究では,まずこの理論を前提としてはなしを始めている.
これはある意味で,ある問題に対して最適な解があることを仮定するのと似ている.
企業についても,ある状況において,ある構造によって,最良のパフォーマンスを実現することができるということを仮定するのだ.
ま,これはテクニカルな側面からいうと,解がない問題は解きようがないじゃんというのを,回避するのが目的でもある.しょうがないから解はあるって仮定し
ようじゃん,それにどうやらあるっぽいし,という感じ.
本筋ではないけれど,組織がある構造をとるのには理由が存在し,それは組織の自己生成的な性質から実現されているということも,コンティンジェンシー理論
の深層における仮定としてふれておきたい.
とりあえずきょうはここまで.
簡単にまとめておく.
お役所が官僚的な構造をとっていたり,ITベンチャーがネットワーク的な構造をとっているのには理由があって,それがその組織にとって,ベストなパフォー
マンスをあげることができる構造であるからだ,というのがコンティンジェンシー理論で,僕の研究においてはまずこれを仮定すると.
Posted by ysk5 at May 5, 2005 10:53 PM
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Comments
(2)
楽しみにしてます。
Posted by: mo at May 6, 2005 11:37 AM