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May 06, 2005

自分の研究についてわかりやすく説明してみる(2)

さて第2回.
だがしかし,酔っぱらいクオリティだ.
きょうも前提知識の続きを説明したい.
コンティンジェンシー理論は,組織の管理者にとって,組織デザインを行うときにおいて,有益なアドバイスを提供した.
しかし,コンティンジェンシー理論が有用でない状況もまた,存在した.
環境が複雑で,自組織がどのような環境に取り巻かれているのか,判断がつきかねるとき,コンティンジェンシー理論は管理者に有益なアドバイスを提供しえな
い.
そのなかで,組織がベストなパフォーマンスを実現するための政策として,学習によるものが提出された.
それが組織学習による環境への適応であり,これはコンティンジェンシー理論と違って,学習というプロセスによって,環境への適応であるベストなパフォーマ
ンスを保証するものであった.
このパラダイムは,つまり,学習という行為によって,パフォーマンスの向上がなされ,かならずしも環境について正しい認識が行われる必要がないことを表明
している.
つまり,組織において正しく学習が行われたならば,それを通じることによって,パフォーマンスの向上が見込まれるだろう,とそう考えるのが組織学習のパラ
ダイムである.
これはパフォーマンスに関して,その属した環境から決定されるという,決定論的な立場から,その実行したプロセスによって決定されるという実現的な立場へ
の移行を表している.
これもまた,ぼくの研究の前提であり,重要なコンセプトである.
つまり,環境に適した組織構造があるとしても,その環境についての認識の正しさが保証されないときには,学習というプロセスドリブンなアプローチによっ
て,それを実現するほかないではないであろう,というコンセプトである.
ちょっとテクニカルな面では,構造という考えからプロセスという考え方に移行した,そういうはなしです.
これがきょうのおはなし.
まとめれば,コンティンジェンシー理論が適用できないときが現代においては大いに存在し,そのときにどのようにして,パフォーマンスをあげるかを考えたと
きに,プロセスという過程を通じて,それを実現しようとするアプローチが存在して,それが組織学習という,組織能力の向上のプロセスであると.
コンティンジェンシー理論という基盤をふまえて,組織学習という新たなパラダイムが存在しえて,それが有用であろうと,これがきょうのまとめ.

Posted by ysk5 at May 6, 2005 10:11 PM

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