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May 25, 2005

チルドレン

伊坂 幸太郎.「チルドレン」.講談社,2004年.

伊坂さんの描く人物の透き通るようなさわやかさがたまらない.
それに加えてラッシュライフの時にもかいたけど,構成力がヤバイ.

陣内という人間を,その周囲の人間から見た5つの物語.
強盗の人質として,家庭裁判所の調査官として,大学生として,一人の人間である陣内にかかわる5つの物語.
5つの物語によって,陣内という人間が伝わり,陣内という人間から何かが伝わる.
その何かは,たぶんあしたを生きる希望や期待をもたらしてくれるものだと思う.

伊坂節を2つ.

「俺たちがありとあらゆる少年少女の父なんかになれるわけがないだろうが.それなら宗教やった方がてっとり早いっつうの」
pp.65

「『絶対』と言い切れることがひとつもないなんて,生きている意味がないだろ」
pp.136

Posted by ysk5 at May 25, 2005 11:32 AM

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