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February 28, 2005

ジョジョの進捗状況(3)

Part 6 (9)-(12)

疾走感がたまらない.

Posted by ysk5 at 11:27 PM

100億稼ぐ仕事術

堀江 貴文.「100億稼ぐ仕事術」.ソフトバンク パブリッシング,2005年.

僕もかねがね100億稼ぎたいと思っていたので,文庫落ちを機会に読んでみた.
ライブ株2株分だと思って読めば,そんなに損した気にもならない.

ぼくもこのきらいがあるな.
というかはキャパが小さいので過負荷になりやすいだけだけど.


自分の一生は誰のものでもない,自分のものである.社会での位置付けなどはあるとは思うが,その場しのぎの関係性など,壊しても構わない.むしろ自分を賭
ける大事なときに,ないがしろにされたくらいで修復不能になってしまう関係性など捨てた方がましである.集中して成功し,一段と大きくなった自分をそれま
で付き合いのあった人たちに見せて,喜んでもらおう.
pp.103

人生観について.
存在自体には意味がなく,その存在の行為のみに意味があると考えている.
この世の本質は「諸行無常」である.人生においても,歯をくいしばりながら努力を重ね,常に走り続けないと,自分という人間などすぐに世の中から消え去ってしまう.
「人間に存在意義などない」と私は考えている.常に刺激を受けて,感動し続けられるような挑戦を続けていけば,存在意義など考える余裕すらなくなるはずだ.
pp.252

Posted by ysk5 at 12:10 PM

希望の国のエクソダス

村上 龍.「希望の国のエクソダス」.文藝春秋,2002年.

*村とか村*なひとは食わず嫌いだったので,偏食をただすために読んでみた.
お休みの日に読むものとしては別に悪くはなかったと思う.

お話としては,ITを利用して,中学生が,希望がない日本からエクソダス(脱出)しちゃうよという感じか.

二元論に落とし込んだり,レッテルを貼って排斥することとかか.
こういったことには嫌悪感があるけれでも,それでもやっぱりスキーマってのは便利なので,精査すること無しにこうすることが多いのです.

基本的にですね.ぼくらはものごとを簡単に片づけてしまうのが嫌いなんです.分かりやすくまとめられてしまうのもいやなんです.少しずつですがぼくらは現実が複雑だということを学んでいます.
pp.83

以下の一連をメモってみて,危機感があるから希望があり,希望ってのは実はプラグマティックなもので,高尚なものである必要はないし,むしろそうであるときには希望でありえないのではないか,と思った.
希望ってのは途中までは規範を読み替えていたのだけど,それでいいのかな.
危機感だけがものごとを考える力を生む,とその老スーパーテクノクラートは由美子に言ったそうだ.手ひどい失敗をしたあとは,痛みを伴うプラグマティックな分析をしなければならない.
pp.235
「この国には何でもある.本当にいろいろなものがあります.だが,希望だけがない」
pp.314

「なんかギラギラしている.欲望が強そうな目だと思わない?この人たちは何かはっきりしたものが必要で,つまり,肉の入ったスープとか,毛糸のセーターと
か,生きるために直接必要なものだけど,それが手に入るんだったら,簡単に人を殺すようなニュアンスの目つきだ.そういった欲望っていうのは,生きる力に
なるんじゃないだろうか.
pp.422

Posted by ysk5 at 11:52 AM

February 27, 2005

ジョジョの進捗状況(2)

Part 6 (5)-(8)

おいしい.

Posted by ysk5 at 10:22 PM

複写物とってくるメモ

すっかり忘れていたので.

xxx大学理工学図書館レファレンス係です。
先日お申込の複写物が到着しましたので、
理工学図書館カウンターまでおいでください。

★受付番号= 2062
(受渡しの際に必要となります)

★引渡し時間は、閉館30分前までです。

Posted by ysk5 at 05:04 PM

February 26, 2005

ジョジョの進捗状況(1)

Part 6 (1)-(4)

とりあえず地元の本屋の棚を空けてやる気概で.

Posted by ysk5 at 10:35 PM

とりあえず読む

自戒の念をこめてリスティング.
優先度づけはあしたする.

Posted by ysk5 at 10:04 PM

グアルディア

仁木 稔.「グアルディア」.早川書房,2004年.

合宿前に時間に追われながら読んだのだけど,おいしゅうございました.
かなりボリュームがあるのに,うまく構成してまとめきっている気がします.
このフルコースはよくできてますよっと.

これは,愛の物語で,物語は愛なのです.
運命とか目的とか,そんなことでは規定させなくて,愛はそれだけで愛なのであり,それゆえに愛なのです,ということっぽい.

結末は最初から決まっていた.彼女たちが愛を知ったことに意味はあったのか.何も変えられないのなら,愛に意味などあるのか---」pp.416

「きみゆえに死ぬのではない.きみゆえに生きてきたのではない.だから愛は無意味だと,或いはこれは愛ではないと……だが,これ
は愛だ.愛以外の何ものでもない.私は間違っていた.何も生み出さなくとも,何も変え得なくとも,愛はそれ自体意味がある.虚しいだけの生だと思い込んで
きたが,最後に気づくことができた.こんなにも,きみへの愛で満ちている」pp.440

今この本を手にしているあなたが,どうか楽しんでくださいますように.物語のために細部に力を尽くし,細部のために物語に力を尽くしました.まんべんなく味わっていただければ幸いです.pp.470

娯楽とか愉悦とかの一側面.


進歩とは何か.他者を押し退け,変化させ,破壊する行為だ.やがては己をも変化させ,破滅へと導く.その原動力となるのは,すなわち自己の優越を証明した
いという妄執だよ.その妄執から人間を解き放ってくれるのは,宗教や道徳なんかじゃない.ほんの少しだけ劣った他者の存在だけだ.管理者はそう考えた.329

Posted by ysk5 at 03:59 PM

Chattoe(1998)

Edmund Chattoe. "Just How (Un)realistic are Evolutionary Algorithms as
Representations of Social Processes?". Journal of Artificial Societies
and Social Simulation, Vol.1, No.3, http://www.soc.surrey.ac.uk/JASSS/1/3/2.html, 1998.

JASSSにこんな宝物が埋まっているとは.
たいへんおいしゅうございました.
最近の興味関心からすると,JASSSにはもっとたくさん掘り出し物がありそうなので,チェックしておこう.

論文のテーマは,社会科学の文脈でのvalidでcoherentなevolutionary modelのあり方を考えるもの.
これにより,リサーチプログラムを進めるうえでの,齟齬がなくなるし,的はずれな批判をかわし,解釈を形成する過程から弱みも知ることができるようになると.

An attempt to find a coherent interpretation for
evolutionary modelling serves three purposes. The first is self
evident. It is easier to pursue a research programme that has been set
in some sort of order, albeit provisional and descriptive. The second
is that evolutionary models have so far been carelessly criticised or
ignored by orthodox economists and other social scientists. Many of the
traditional criticisms rest on misinterpretations or take advantage of
ambiguities in the interpretations used by researchers in the field. A
coherent interpretation may also serve to improve the quality of
subsequent debate. Finally, the process of building an interpretation
reveals weak spots in the current simulations and may suggest both
immediate solutions and areas for further long term research.
Chattoe(1998)

この記述に注目したい.
僕はLamarkian inheritanceを導入することで,むしろGAによる進化を強い形で類推したときに弊害となる,断続的に進化プロセスが進むという弱点を,解消できるのではないかと思い始めている.
どちらにせよ,強い形で社会科学の文脈に進化の考えを導入するのは,無理があるので,弱い形での導入しかないし,それでも十分に進化の考えを導入する意味は大きいと思う.

Evolution does not exclude Lamarckian inheritance. It
appears the Lamarckian inheritance --- inter-generational genotypic
transmission of phenotypic characteristics acquired during a single
lifetime --- has not evolved in biological systems except for some
fiercely contested cases among the simplest organisms (McDougall 1927).
It is also fairly easy to see why this might be. There is simply no
mechanism by which additional arm muscles might be "re-encoded" back
into the genes, because they are not directly encoded there in the
first place. All that is encoded is the synthesis of enzymes and other
chemicals that will, taken together, result in a particular set of
muscles and other bodily features but only through a dynamic process of
construction. The completed body does not retain any representation of
this construction process, so it cannot be "reverse engineered".
However, this is a contigent fact about genes. There is nothing
conceptually incoherent about Lamarckian inheritance as part of an
evolutionary framework. Indeed the existence of cultural transmission
suggests that if the material of the "genotype" is human language,
rather than genes, Lamarckian inheritance has indeed evolved and may
now dominate genetic inheritance (Moravec 1989).
Chattoe(1998)

Posted by ysk5 at 03:15 PM

んあ.

冬合宿の記録と記憶を電子化.

http://ysk5.s58.xrea.com/mt/archives/000624.html
http://ysk5.s58.xrea.com/mt/archives/000625.html
http://ysk5.s58.xrea.com/mt/archives/000626.html-----
EXTENDED BODY:

Posted by ysk5 at 02:43 PM

February 25, 2005

ぬんできた

研究計画発表後に.

Posted by ysk5 at 11:41 PM

研究計画発表

終わった.

研究室ではログを書くことになっていたので,ついでに,全文転載してみる.
ちなみに敬称略で.

■研究計画発表 05/02/25 発表者:ysk 担当教授:平澤,吉本,高田 助手:金

高田:課題のところで,モデルと現実との対応が課題とあるが,現段階でのイメージとして,どのようにしようと考えているのか?
ysk:現実の組織構造をそのまま表現することには無理があるため,現実の組織構造の本質的な特徴を抽出し,それをモデルの上での表現と対応づけようと考えている.
高田:組織の構成要素は人間なのか?
ysk:はい,そうです.しかし,人間といっても機能の実行者としての意味であるため,現実には1人の人間が複数の機能を実現していても,モデル上では複数の人間として認識される.
高田:それならば,組織の構造は具体的な配置を考えなければならないが,このモデルでは機能とプロセス(振る舞い)からモデル化しているから,構造を認識できないのではないか?
ysk:それは難しいと認識している.現実の組織構造をそのまま表現するのではなく,機能とプロセスの特徴が理解できるだけでも,十分に有用であると考えている.
高田:しかし,最終的には組織のデザイン・設計の方向を目指したいのでは?
ysk:はい,そうです.
高田:ならば現実との対応が必要になる.構造で論じなければならないので,それについて考える必要がある.
ysk:しかし,いきなりその対応をとることが困難であるから,理論的と現実的なものとの中間のところまで,モデルをもっていくことに意義があると考えている.
吉本:嗤う.
高田:たとえば,モデル内の操作変数があるのか?
ysk:あります.
高田:それは現実と対応しなければならない.
ysk:そう思います.
高田:外部環境とは何か?
ysk:他組織や市場,景気等を抽象化したものです.
高田:タスクとは具体的に何か?
ysk:具体的にはありませんが,たとえば他の組織との競争に勝つために,必要とされることです.これにより,環境に適応するために組織が行うことが求められることとして,抽象化して考えます.
吉本:タイトルが分かりづらい.
ysk:はい,申し訳ありません.
吉本:どう読めばいいのか?
ysk:組織学習を通じた,組織の環境への適応メカニズム,と読みます.
吉本:ずっと分からなかった.もう少し分かりやすくする必要がある.
ysk:ありがとうございます.
吉本:計算組織論の文脈に組織学習と組織サイバネティクスを導入したことは分かったし,その文脈では正しいことをしていることも感じられた.が,説明からは理解ができないことがあったから,これを改善すべきだと思う.
ysk:ありがとうございます.
吉本:そのために,環境への適応メカニズムでの中身,どうやって適応していくのかについて,分からない.
ysk:はい,改善したいと思います.
吉本:モデル化を行うときには,やはり現実をモデル化するのだから,モデル化したものを現実にリ・モデル化を行う必要がある.この点をよく考えて今後研究をして欲しい.
ysk:はい.ありがとうございます.
金:時間になりましたが,以上で結構でしょうか.
吉本:はい.
ysk:ありがとうございます.

Posted by ysk5 at 11:36 PM

February 24, 2005

練習メモ

制限時間は7分.

理論値ベースでは,この原稿の字数で大丈夫っぽいので,練習を頑張れ.

1回目(原稿を読みながら):7m14s
2回目(原稿を読みながら):7m00s
3回目(なかば原稿を読みながら):7m15s

翌日朝起きて.
4回目(何も見ないで):6m55s
5回目(立ち上がって):6m50s
6回目(スーツに着替えて):6m58s

さていってくる.

Posted by ysk5 at 10:44 PM

.pptなファイルを出してきた

体調が下り坂っぽいので,想定問答集は縮小版でいいや.

とりあえず原稿を憶えて,7分に納めるようにしよう.

Posted by ysk5 at 04:38 PM

February 23, 2005

修士論文中間発表練習

いってきた.

僕はきょうぐっすりと眠ってもよいみたいだ.
これからちょこちょこと直して,おやすみなさい.

あしたは原稿と想定問答集を作成しようっと.

Posted by ysk5 at 10:40 PM

February 22, 2005

ファンタジーなロールのプレイング進捗状況(5)

ひさびさに.

レベルは22くらい.
帰りのバスと電車で.

Posted by ysk5 at 10:55 PM

ん.

東京に戻ってきた.

20日から2泊3日では23日にはなりませんよっと.

中間発表の僕の出番が午後からだったので,きょうは何もせずに寝ることを決定.
僕のうちには小人がいるので,寝ている間にいろいろとやっておいてくれるはずなので.

Posted by ysk5 at 10:41 PM

研究室冬合宿:3日目

きのうより,多めに寝ました.

スキー.

おひるごはん.

盛岡にて,冷麺を食べる.

車中でも飲みますがね!

Posted by ysk5 at 02:33 PM

February 21, 2005

研究室冬合宿:2日目

3時間しかねてませんが,おはよう.

朝8時からスキー.

お昼ご飯.
M部くん待ちで1h over消費する.

3時過ぎくらいから,スノーモービル乗ってきた!

ぬみかい.
ナポレオン面白かった.

よく分からないけど,きょうも3時過ぎに就寝と.

Posted by ysk5 at 02:05 PM

February 20, 2005

研究室冬合宿:1日目

東京駅から盛岡まで新幹線.そしてバスで安比と.

バスで暇だったので書いてみた.

ついたら,まずは食事.

スキー.

どっかでのんだ.

ぬみかい.

Posted by ysk5 at 01:53 PM

February 19, 2005

えと

あしたから2泊3日(02/20-23)で研究室の合宿にいってまいります.

stakeholderのみなさん,どうぞよろしく.

Posted by ysk5 at 09:02 PM

February 18, 2005

かってくメモ

1.ウィスキー:1本
2.日本酒:1本(720ml)
3.帽子っぽい何か

追記:
2.→削除(大先生がご購入予定)

Posted by ysk5 at 10:54 PM

a priori

1. Proceeding from a known or assumed cause to a necessarily related effect; deductive.
2.
1. Derived by or designating the process of reasoning without reference to particular facts or experience.
2. Knowable without appeal to particular experience.
3. Made before or without examination; not supported by factual study.
from http://dictionary.reference.com/search?q=a+priori

これは有名.演繹的に,経験すること無しに,先験的にって感じかな.

Posted by ysk5 at 08:06 PM

February 17, 2005

うん.

がんばった.

雑務方面では,おうちのお掃除をしたし,洗濯もしたし,書類を整理したし,がしがしスキャンをして,いらない書類を処分した.

お仕事のほうは,Scirus経由で面白そうなのを2本拾ったし,del.icio.usもだいぶ増えてきたし,研究のアイディアもいろいろと.

さてと,風呂はいってクソして寝るか.

Posted by ysk5 at 10:37 PM

prima facie

At first sight; before closer inspection: They had, prima facie, a legitimate complaint.
from http://dictionary.reference.com/search?q=prima+facie

一見して,一見,ちょっと見ただけではといった感じか.

Posted by ysk5 at 09:43 PM

ceteris paribus

With all other factors or things remaining the same.

from http://dictionary.reference.com/search?q=ceteris+paribus

他の事情がおなじなら,かな.

Posted by ysk5 at 09:34 PM

February 16, 2005

佐々木(2000)

佐々木 貴宏.”動的環境下でのニューラルネットワーク集団の学習と進化---ダーウィン進化とラマルク進化の比較---” in 遺伝的アルゴリズム(4) 北野 宏明(編),pp.141-168.産業図書,2000年.

Gilbert and Troitzsch(2003)経由で.
たいへんおいしゅうございました.

若干,というか大いに飛躍があることを承知でメモる.
ニューラルネットワークをある種の組織としてみることは,情報処理機械としての組織のメタファーがあることからも,不自然ではない.
とすると,この研究成果はある意味で組織の学習・適応問題についての知見としてとらえられるものを含んでいる可能性がある.
僕が,僕の研究モデルとこの研究モデルに対して,ある種の同型性を感じるのは気のせいではないはずだ.

組織内部のエージェントの学習の効果と,組織自体をエージェントとしてみるような学習の効果について,説明する必要があると思っていたのだけど,ここでいうラマルク型の学習(進化)とダーウィン型の学習(進化)という形で説明すると良いのかもしれない.


進化論の歴史において,遺伝現象と学習・進化に関連してラマルキズムとダーウィニズムの2つの大きな思想の流れがある.前者では進化の原動力を「獲得形質
の遺伝」に置き,学習などの環境に対する応答として生物個体の生涯内に生じた適応的な変化が遺伝的に何らかの形で組み込まれて子孫の変異に方向性を与える
ことで進化が推し進められるという考え方をする.一方,後者では「ランダムな変異に引き続く非ランダムな自然淘汰」を進化の原動力とし,変異自体には方向
性がなく,たまたま適応的な変異を持って生じた個体が自然淘汰の過程で生き延びて繁栄するという考え方をする.つまり,生物個体の生涯の間に生じる適応的
な変化の効果が遺伝子に組み込まれるという獲得形質の遺伝の考え方を否定し,進化とは自然淘汰の累積的効果として生じる現象であるとする.周知のとおり,
今日の生物学や進化論において主流を占めるのは後者のダーウィニズムであり,ラマルキズムを異端もしくは誤りとするのが大半の見方である.
佐々木(2000) pp.143

ここでも書かれているが,工学的視点というか,焦点を進化・学習に絞ったときには,ダーウィン型のモデルに固執する必要はないと思う.
むしろ,ダーウィン型をいうように,ある種のスキーマなり偏見を持って見られることが却って,研究モデルの評価においてバイアスがかかる原因にもなりうるような気がする.
僕は,少なくとも,そう思われていると感じるときはある.生物学的な進化のメタファーを経営学等の社会科学領域に適用するとき,過剰に適用するか,適用自体を否定するか,極端な態度になりがちなので.
そういうわけで,いわゆる単なる進化・学習の実現というところに焦点を持っていきたい所存.


このような生物学的な背景もあるため,生命現象の計算的側面からその原理を探ろうとする人工生命研究としての立場からは,ダーウィン型の進化モデルの下で
の議論が中心的に為されてきた.一方,工学的な視点からはダーウィン型のモデルに固執する必要はない.実際,獲得形質を遺伝させるというその遺伝機構には
大いに魅力があり,これまでもいくつかの工学的応用の試みがなされてはいる.ところが,いずれの立場からの研究も,そのほとんどが静的な実験環境上でのみ
の評価および考察に基づくものであり,動的環境の上での議論がなされたものは少ない.というのも,概して,遺伝的アルゴリズム等に関する研究は,何らかの
問題が与えられた際に如何にその最適解に近いものを発見するか,如何に高速に発見するかといった単一問題(環境)への最適化の観点から議論されることが多
かったからである.しかし,実世界での応用を考える際には,「如何に効率よく環境に適応できるか」といった最適性・高速性に加えて「如何に環境の変動に追
従できるか」といった柔軟性を考えることも重要になってくる.実際に,近年何人かの研究者によって動的な環境下での適応についての議論もなされつつある.
そこで本章における実験でも,とくに動的環境下でのダーウィン型とラマルク型の遺伝機構を持つ集団の振舞いについて注目する.
佐々木(2000) pp.143-144

このリザルトは興味深い.
「うまく学習する」能力と「うまく行動できる」能力というのは,explorationとexploitationの概念ともマッチする.
とすると,ますます,メタファーレベルでは僕の研究へ与えるインパクトは大きいと感じる.ただ,このモデルのままでは,まだまだマネジリアルな含意は絶望的に少ないことも,明らかではある.


図5.6に見られるように,進化の初期段階に(一時的とは言え)生得的出力誤差が増加するということは,その段階では生まれつきの行動能力という観点から
は不利な個体集団が形成されていることを意味する.一方で,図5.5に示した適応度の世代変化ではそのような非単調性は見られず,世代経過にしたがってた
だ単調に増加していく.つまり,生まれつきの行動という面では多少不利でも,うまく環境の規則を学習できれば生涯全体を通じての適応度を上げることになる
のである.したがって,進化の初期の段階では「うまく学習する」能力が進化するように淘汰が働いていると言える.ここで興味深いのは,この「うまく学習す
る」能力というのが,進化の場として与えられている特定の環境に依存したものではなく,ある程度一般的な能力である可能性があるという点である.このこと
は,与えられた環境(ここの実験での「静的環境」)とは別の異なる環境(ここの実験での「未知環境」)下での学習特性も同時に向上していることより言え
る.そしてひとたび集団が学習能力の高い個体で占められるようになると,次の段階として与えられている環境下で生まれつき少しでも「うまく行動する」個体
が選択されるようになる.つまり,ここでボールドウィン効果が生じるのである.その後さらに長期間進化させると,集団内は与えられている下の環境で「うま
く行動できる」能力を持つ個体で占められることになり,進化の初期の段階で獲得した「うまく学習する」能力は徐々に失われていく.したがって,別の環境に
対する適応性という面では劣化していく.
佐々木(2000) pp.162-163

Posted by ysk5 at 04:17 PM

朝起きたら本棚から大量の本が床にダイブしていた件について

地震が夜あったことを思いだした.
他には被害無し.
つかねむいから夜くるなよ,地震.昼にすれ.

Posted by ysk5 at 09:46 AM

February 15, 2005

森戸 and 逆瀬川(2000)

森戸 晋,逆瀬川 浩孝.「システムシミュレーション」.朝倉書店,2000年.

OR(Operations Research)erな向かいの研究室のセンセがお書きになられたご本.
Gilbert and Troitzsch(2003)の補足経由で.

最初はこんなように講義で教わったような気がする.
いまは下のようには思っていませんが.
この定義は,この本の中では有効だけど,明らかにぼくらが使う意味を示していない.

利用目的でシミュレーションを分類すると,(1)システムの設計時の性能評価,すなわち,設計案を比較検討するための主として設備の能力評価,(2)システムの制御方法の検討,(3)システムの運用時の短期的先読み,の3つに大きく分けることができます.
森戸 and 逆瀬川(2000) pp.10

Takahara(2004)にもあるようなお話ではあるのだけど,こちらのほうが専門的な言い回しをしていないので,読みやすいとも言えなくもない.
僕からすればもう少しつっこんで書いていただきたかったところである.


(1)手軽さ:シミュレーションは,モデルを使った分析技法のなかで一番手軽といってよいでしょう.シミュレーションの要素技術は幅が広いのですが,最近
ではそれらのブラックボックス化が進み,ユーザーは詳細を知らなくともそれなりに技法を使うことができます.最近では,プログラミングを必要とせず,モデ
ルという意識すらもたなくてよいシミュレータも少なくありません.しかし,これは正しい使用法を知らずに間違った使い方をするというリスクと背中合わせで
あることも意味します.
(2)柔軟性:モデル分析技法の中でも,シミュレーションは高い柔軟性(flexibility)を誇っています.離散型シミュレーションの場合,待ち行
列型モデルという制約はあるにしても,モデル作成者の思うがままにモデル作りが可能です.他の数学モデルでは,例えばすべて線形の関係でなければならない
とか,変数は連続的に変化するなどの条件が存在することが多いのに対して,シミュレーションでは言葉で正確な表現可能な条件ならほとんどすべてモデル化可
能です.裏返せば,自由度が高すぎて,どうすればよいか分からないという問題も含んでいると考えてください.
(3)説明の容易さ:アニメーションにも助けられて,モデルならびにそこから得られる結果は,簡単かつ説得力をもって説明することが可能です.したがっ
て,うっかりするとだまされるという危険もはらんでいます.
森戸 and 逆瀬川(2000) pp.15-16
本来的にはこの記述を読みたくてこの本を読
んだのだけれど,読んでみたら,ハイそうですか的な感じのところだったので,あんまりメモる意味がないかもしれないけれど念のためメモっておく.
モデリングを行うときに,問題状況をモデルとして認識する世界観としてのワールドビューによって,モデル化のしかたが異なるというはなし.パースペクティ
ブを事象におくか,プロセスにおくか,アクティビティにおくかによって,それぞれ完成したシミュレーションモデルにおいて長所と短所が存在しますというこ
と.
以下では,前節で説明した基本概念を用いて,代表的な3つのワールドビューを説明します:
(1)事象中心のモデル化:システムの状態変化を起こす出来事,すなわち”事象(event)”に着目し,事象がシステムの状態に及ぼす影響を明確に定義
することによってシステムを記述するもので,私たちがCやVBなどを使ってシミュレーションのプログラムを自分で作る場合に,通常採用するモデル化のアプ
ローチです.
(2)プロセス中心のモデル化:システム中を動き回る要素に着目し,要素の誕生(または到着)から消滅に至るライスサイクルのプロセスを定義することに
よってシステムを記述するもので,SLAMをはじめ多くの商用ソフトウェアが採用しているモデル化のアプローチです.
(3)アクティビティ中心のモデル化:要素にかかわるアクティビティに着目することによってシステムを記述する方法で,要素間の複雑化相互関係をモデル化
するのに有効といわれており,欧州とくに英国で好まれています.
森戸 and 逆瀬川(2000) pp.101

Posted by ysk5 at 10:15 PM

事象は変わらないが,事情は変化する

朝起きたら,S見くんからメールが来て”センセによると18日の研究計画発表ゼミはなくて,個別に見せに行くらしい”と.
16日は学校には入れないので,実質きょうとあさってしかないことが判明した.
しょうがないので家でセンセにアポとり系のメールを出して,チャリに乗る予定を変更して,研究室に行ってきた.

研究室できょうやるつもりのなかった研究計画書を自分でチェックして,修正していると,センセがいらっしゃって,チェックをしていただいて,ゴーサインこと判子をゲット.

で,仕事が終わって帰ってきたら,どうやら確かに体調が悪い感じ.

お酒を飲むのはやめて,溜まりつつあるメモ業務をグワシグワシとこなすことに.
まだ2文献滞留中.

Posted by ysk5 at 09:33 PM

Gilbert and Troitzsch(2003)

Nigel Gilbert and Klaus G. Troitzsch(著),井庭 崇,岩村 拓哉,高部 陽平(訳).「社会シミュレーションの技法」.日本評論社,2003年.

社会科学領域におけるシミュレーションについての紹介書兼入門書.
手法としてはSystem Dynamics,Micro Simulation,待ち行列モデル,Multi-Level Simulation,Cellular Automaton Model,Multi-Agent Model,学習と進化のモデルの7つ.

当該分野についての網羅的で体系的な本は有用だ.
枝葉をたどって,いろいろな知識を吸収できるので.

シミュレーションモデルを理論の発展に使うという研究のやり方について.
まさに僕の研究はそれなのだけど,基本的にシミュレーションというと予測のためのものと考えるハードなおかたが多いので,working paperとかでもこれを参照しておくことにする.


人々がどのように相手を探すかに関する理論があるならば,私たちはそれを手順として表現することができ,最終的にはコンピュータ・プログラムにすることが
できる.プログラムは,手順を文章の形で表現するよりも正確なものになるので,理論を洗練するのに役立つ.つまり,「理論を発展させるための方法」とし
て,シミュレーションを用いることができるということである.
Gilbert and Troitzsch(2003) pp.3

創発の定義.
これはまんま,システムの要件(備えるべき性質)としてあげることができると思う.
これも理解されていなくて,”創発って何?”という冗談なのか,試しているのか,挑発しているのか分からない質問が来そうなのでメモ.


創発の概念は,複雑系理論からでた最も重要な考え方のひとつである.創発は,ある階層における要素どうしの相互作用が,ほかの階層における異なるタイプの
要素を生じるときに起こるとされている.より正確に言うと,ある現象を説明する際に,それらの下位の要素の振舞いを説明するためには必要でなかった新しい
種類の説明が必要とされる場合に,その現象は創発的であるというのである.
Gilbert and Troitzsch(2003) pp.12

Posted by ysk5 at 08:38 PM

山本(2002)

山本 昌宏.「逆問題入門」.岩波書店,2002年.

学生読書室を遊覧していたら目についたので読んでみた.

この定義から考えると,やっぱりいまの社会科学の領域においても逆問題を解くというアプローチが有用であることが言える.逆問題を解くアプローチから,その問題状況のメカニズムについて,考察を加えることができるようになると考えられるからだ.

逆問題を定義することは難しそうだが,その特徴はかなりはっきりしており,われわれの「共同体」の共通認識からは次のように特徴づけられるであろう. 逆問題の発想の特徴 (1)直接的に測ることができない対象を知ること. (2)結果から原因を推定すること. (3)物理法則や支配方程式の決定. (4)物理定数の決定. (snip) 順問題の発想の特徴 (1)原因を知って結果を予知すること. (2)原因から結果へという因果律を遵守すること. (3)物理定数や支配方程式を決定したとして,それを解くこと. 山本(2002) pp.2

Posted by ysk5 at 08:32 PM

February 14, 2005

中西et al.(2003)

中西 大輔,亀田 達也,品田 瑞穂.”不確実性低減戦略としての社会的学習---適応論的アプローチ---”.心理学研究,Vol.74,No.1,pp.27-35,2003.

ずびびっと,サーベイをかけたときにひっかかった論文.
まったくもってダイレクトには僕の研究にはかかわってこないのだけど,関心の間口は広くとっておいたほうがいいであろうということで,読んだのでメモ.

当たり前のことなんだけど,結構忘れてしまいそうなこと.
平均のマジックというやつだ,よくある.
けれど,この場合においては,アプローチの限界を示しているともとれる.さらにミクロな分析を可能にするには,たとえばABMのような個体の振る舞い自体を観察できるアプローチを採らないと駄目だろう.

それでは,こうした均衡状態の実現は,具体的にはどのような形で生じるのだろうか.本研究における仮説導出の背景となった進化
ゲーム理論によれば,均衡を形成する社会状態に”多型(polymorphism)”と”混合戦略(mixed
strategy)”の2つの可能性を考え得る(Maynard Smith,
1982).ある母集団で戦略Aと戦略Bが比率pと1-pで均衡していたとしよう.常に戦略Aを採る個体と常に戦略Bを採る個体がこれらの均衡比率で母集
団に存在していたとしても(多型),全ての個体が戦略Aを確率pで,戦略Bを確率1-pで使い分けていたとしても(混合戦略),この均衡は成立する.いず
れの過程でも,そのグループにおけるA戦略個体の平均比率はp,B戦略個体の平均比率は1-pとなる.中西et al.(2003)pp.32

この論文のメインリザルト.
この場合,形式知を対象にして研究を行っているけども,もし仮に暗黙知を対象としたら,どうなるのだろうか.暗黙知のように伝達に時間がかかり,正確に伝達されると保証されないときは,この研究での前提条件が崩れるために,下の議論は成り立たないだろう.

環境変動の存在する状況下でも,もし個人的学習(情報探索)にかかるコストが低いのであれば,Henrich &
Boyd
(1998)のモデルが示すように,社会的学習(特に多数派の意見を重視する同調バイアス)は情報の不確実性を低減する上で有効に働く.しかし,個人的学
習のコストが無視できないほど高ければ,情報の安定供給に関するフリーライダー問題が生じ,供給者たる情報探索者(個人的学習者)と,社会に流通する情報
を消費するだけのフリーライダーの間でタカハト型の均衡が生じることが理論的に予測できる.本研究は,進化ゲーム理論に基づく以上の予測の正しさを実験に
よって確認した.
中西et al.(2003)pp.33

Posted by ysk5 at 10:45 PM

主な変更点

なんというかいろいろ変えたのでメモ.

Posted by ysk5 at 10:31 PM

落ちるサーバって

嫌いよ.

特にgatewayだと.
というわけで研究室いってくる.

Posted by ysk5 at 05:09 PM

February 13, 2005

謝恩会をしていただいた

ありがとうございます.

僕みたいなアドバイザーにあたるという災厄を無事くぐり抜けられたお二人には揚々たる前途が拓かれているに違いないでしょう.

追いコンのときには,薫りのステキな花束でお返しをさせていただきたい.

お二人とも来年もいらっしゃるわけですが,”息災と,友愛と,再会を”

Posted by ysk5 at 09:35 PM

自宅---上石神井---自宅

いつもの.

つまさきが寒い.

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DST:12.93km
AVE:23.2km/h
MAX:37.5km/h
ODO:1513.5km
============

Posted by ysk5 at 02:11 PM

四畳半神話体大系

森見 登美彦.「四畳半神話大系」.太田出版,2005年.

4つのストーリーから構成されている.
基本的にキャラクター,事象等の設定は同一.
けれども,それぞれ少しずつ経過が異なっていて,展開に違いがある.
が,最終的な結末は同じ.

運命というのはequifinalityをもつものであると.
一見経路依存的で,また,そうであって欲しいと思うのだけれど,無限の運命群の道をたどっていくと一本の現在の私の運命に収束していくと.
そういうことだろうか.

結局,本を捨てて,四畳半から出て行けよ,ということ?

「慰めるわけじゃないけど,あなたはどんな道を選んでも僕に会っていたと思う.直感的に分かります.それでいずれにしても,僕は全力を尽くしてあなたを駄目にしちゃうからね.運命に抗ってもしょうがないでしょう」 (pp.39-40)
しかしながらあの無限に続く四畳半世界を八十日間歩いてみた印象から推察するに,私はいずれの道を選んでも大して代わり映えのな い2年間を送っていたのではないかと思われる.何より,恐るべき想像ではあるが,いずれの道を選んでいても小津とは出会っていたのではないか.小津の言う 通り,我々は運命の黒い糸で結ばれているということだ. したがって,私は過去の自分を抱きしめたりはしないし,過去の過ちを肯定したりはしないけれども,とりあえず大目に見てやるにやぶさかではない. (pp.288)

Posted by ysk5 at 11:40 AM

February 12, 2005

読むメモ

あしたプリントアウト.

Edmund Chattoe (1998) 'Just How (Un)realistic are Evolutionary Algorithms as Representations of Social Processes?'
http://jasss.soc.surrey.ac.uk/1/3/2.html

Posted by ysk5 at 10:26 PM

読むメモ

電子ジャーナルがありそうならそれをDLするほうこうで.

Newell, A. and Simon, H. A. (1976) COmputer sience as empirical enquiry. Communicaitons of the ACM., 19: 113-126.

webネコ検索結果

Posted by ysk5 at 09:20 PM

読むメモ

あしたプリントアウトして.

Shoham, Y. (1993) Agent-oriented programming. Artificial Intelligence, 60: 51:92.

いま読んでる本だと発表年が1990になってます.
ミスみっけ.

Posted by ysk5 at 09:03 PM

こんにちはマクレルランド

高給取りだけあって,何となくまろみがあるようなきがする.via colaで.

ともあれ,ようこそ.

そしてジョニーくんへ.
”息災と,友愛と,再会を”

Posted by ysk5 at 08:28 PM

February 11, 2005

読むメモ

webネコ検索じゃでてないけど,WINEだとでてくるという.
これはあした学生読書室いってコピーして返却すると.
つか森戸研とかsakas研いけば,借りれそうな気も.

プロセス指向とアクティビティ指向のプログラミング・スタイルについて.

システムシミュレーション / 森戸晋,逆瀬川浩孝 著
WINE検索結果
ISBN: 425420955X

Posted by ysk5 at 10:58 PM

読むメモ

ひとまずあしたあたりにreference係さまに書類を投げつける.
Doran J E "From Computer Simulation to Artificial Societies"
Transactions SCS, 14(2), 69-77. June 1997 [Special Issue: Multi-Agent
Systems and Simulation]
webネコ検索結果
ISSN: 07406797

Posted by ysk5 at 10:40 PM

亀田(2000)

亀田 達也.”協同行為と相互作用---構造的視点による検討” in 協同の知を探る---創造的コラボレーションの認知科学(植田 一博,岡田 猛
Eds.).共立出版,2000年.
最初は逆問題についての解の収束プロセスと絡められたらいいなと思っていたのだけど.
ともかく面白かったのでメモ.
GAプロセスを合意形成過程と等価とするアイディアについて.
協同して学習を行う際のその有効性としての選択のしくみを,協同学習システム設計者の側から,どうやって保証するかというはなし.


さて,楠・佐伯(1999)の主張する「非合意形成的協同学習システム」も,こうした遺伝的アルゴリズムと基本的に同様な着想をとっている.グループとし
ての解や決定を求めない「非合意形成的」なシステム(メンバーが自律エージェントとして自由に振舞えるシステム)をつくることで,「適者」が合意過程の中
に埋没する(=同調/服従する)可能性を減らし,「適者」の学習内容が保持され,次第に伝搬していく可能性を高めようという着想である.この着想は鋭い.
しかし,そこで「適者が選択される」メカニズムは実際にはどのように保証されるのだろうか.
(pp.65-66)

以下のアイディアについての他のアプローチとしては,SSMに代表されるような権力構造下でも有効に働く方法論を用いた介入を行うことで,その権力構造を和らげて,social contextに依存しない”相互依存構造”をつくってしまうアプローチがありそう.
ただこの場合の関心は,そういった介入を伴うものではなく,ツールやテクニックのレベルでのものだとも思う.でも,それは(そのレベルで完結させることは)なかなか難しいのでは.

遺伝的アルゴリズムにおいては,そうした「自然淘汰」メカニズムは,アルゴリズム自体に初めから組み込まれていた(プログラマがそういう世界のあり方をつ
くった).一方,社会的な協同場面に,この意味での「自然淘汰」,「適者選択」のメカニズムは内在的に組み込まれていない.とすれば,楠・佐伯
(1999)の考える「非合意形成的協同学習」は無条件では成立し得ず,グループウェアによる支援を含め,「適者」が選択されるための,何らかの構造的・
制度的な保証を必要とするはずである.「非合意形成的協同学習システム」の可能性は魅力的である.しかし,そうしたシステムが実際に機能するかどうかは,
権力関係や利害関係のあり方を含め,「適者選択」を可能にするメンバー間での「相互依存構造」をどのようにつくりだすかの大きく依存するのではないか.こ
の意味で,もし工学的な介入先を,メンバー間での「相互作用」のレベルに直接に向けるとしたら,それはかえって迂遠な方向のように思われる.「協同学習」
の実をあげる具体的な相互作用のあり方は,相互依存構造に本質的に規定されると考えるからである.
(pp.66)

Posted by ysk5 at 10:18 PM

工学的シミュレーションと社会科学的シミュレーション

.systakaな人がシミュレーション系の研究で各先生からいじめられるわけがわかった.
シミュレーションっていっても,いわゆる工学系のものと社会科学系のものがあって.
.systakaな人は社会科学系のものが多いのだな.
で,2つにおいては目的において違いがあって,これについてうまく説明ができないので,いじめられると.
シミュレーションの目的には,予測と説明がある.
予測は,シミュレーションから意思決定のサポートを得ることを目的としているので,現実とのリンク,解釈がクリティカルな問題として存在する.
たとえば在庫量のシミュレーションで,結果からどのくらい注文すればいいかがわからないと,お話にならない,というはなしとほぼ同じこと.
説明はモデリング自体に意味があり,モデルを構築することで事象やメカニズムについての理解を深めることに目的がある.このとき,現実との対応について,
とくに表現・解釈の問題は主要なissueとはならないことがある.
たとえば複雑系のシミュレーションとかでは,その挙動についての洞察が得られることにシミュレーションの意義がある.
で.
一般的には工学的なシミュレーションといったら,予測を重視する.一方で社会科学的なシミュレーションといったら,説明を重視する.
.systakaな人の研究ではメカニズムの理解を主要な目的としてあげているので,このときにメカニズムについての理解が得られるモデルであれば,現実
とのリンクを考えるとき,その表現力という面において,モデルに弱点があったとしても,それが研究の弱点になることはありえない.
だけど,この辺の話をおさえないで,質問に対して回答するから,いじめられてしまうと.
あと,簡単に謝るのはよくないな.
たとえば考慮していなかったことを指摘されたときに,それがあたかも考慮されていないとまずかったかのように感じて,無意味に謝ることとか.
仮定は仮定です,といえばいいのに.
何を考慮するかは,どのような目的を持って,対象をどのようにモデル化するかに依存するという面が大きいと思うのですよ.
と,いま読んでいる本を読みながら,考えた.

Posted by ysk5 at 09:37 PM

自宅---上石神井---自宅

いつもの.
すっきりとして,お仕事を始める.
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DST:12.87km
AVE:21.5km/h
MAX:42.4km/h
ODO:1500.6km
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Posted by ysk5 at 02:47 PM

雪が降る

藤原 伊織.「雪が降る」.講談社,2001年.

自分のなかで評価が揺れる.
http://ysk5.s58.xrea.com/mt/archives/000575.htmlは手放しなんだけど,こっちはなんというか”ぽっぽや”っぽいのがな.
いいのだけれど,料理されている感が.

ともあれ,メモ.
陽子のメールの文がgood.

志村さん.このまえは,あなたと最初からいっしょに「ランニング・オン・エンプティー」を見たかった.そしてきょう,もし会えれば最高のセックスをしたい.してみたい.したかった.してください.
(pp.121)

Posted by ysk5 at 10:55 AM

February 10, 2005

後期の納会っぽいなにか

わせだもおおくぼも入試体制らしい.

飲んで,働いて,飲んだ.

帰りについカッとなって倉木麻衣のアルバムを全部借りてきた.いまは反省している.

Posted by ysk5 at 10:33 PM

e-ohno4号

をみていたら,

「74件」
みなさん、これ何の数字がご存知でしょうか?私の同期・後藤(現在大野研博士課程在籍)が女の子にフラれた回数でも、同じく同期(同上)鈴木が道路交通法違反で捕まった件数でもございません。

この数字、実は「大野先生の名前をYahoo!で検索した時の件数」なのです。経営システム工学科の他の先生方のお名前や著名な先生のお名前で比較してみるとわかるのですが、トップランクの数字です。

私見ではございますが、これは「非常に意味のある大きな数字」と認識しております。
from http://www.ohno.mgmt.waseda.ac.jp/merumagac4.htm


とあり,気になったので調べてみた.

ぼく的にはyahoo!は検索エンジンではないので,googleもいれて"教授名"で検索.

以下結果(なんというかアレなので伏せ字で).

教授Yahoo!Google
azm4898
ohn77181
st2684
ktym232538
mnchk185871
tkt72180
yshmt2283
ohnr39169
kmtsbr1841430
mrt120502
sksgw76239
hrsw144388
mtsshm89180
ngt1770643
tkhsh1801160

うーん,トップクラスとはいえないような.
というか,このような検索がそれなりの意味を持つ程度の精度をもっているとは思えません.
やるなら被参照論文数とかあると思いますが.

とかいいつつ,なんだかんだいって,大変楽しみにしているので,編集委員のかたを中心に今後もがんばってくださいませ.

Posted by ysk5 at 11:02 AM

February 09, 2005

でっかい建物に行ってきた

中身もなく内容もなく内実もなく.

とりあえず人事制度が崩壊しているところのエントリーを忘れないようにしないと.

Posted by ysk5 at 11:15 PM

コピって読む

中西大輔・亀田達也・品田瑞穂 (2003). 不確実性低減戦略としての社会的学習:適応論的アプローチ, 心理学研究, 74(1), 27-35.
webネコ検索結果

これは多分,参考になるはずだ.

Posted by ysk5 at 11:02 PM

February 08, 2005

お仕事の行きと帰りとその最中に思いついたアイディアについて

メモるよ.

■process layerにおけるタスク実行
single-loop learningの本質を既存枠組みのなかでの最適化とし,double-loop learningの本質を解釈枠組みの変更であるとするなら,これらの学習の効果をみるためには,タスクの実行に関して以下の2つの観点から整理する必要がある.

1.正しくタスクを認識することの困難性
2.正しい認識下での能力(資源)的実行困難性

これより,実験のセッティングにおいて,以下の4つを意識しなければならない.

a) 1.の解決のみで実行可能
b) 2.の解決のみで実行可能
c) 1.と2.の解決で実行可能
d) otherwise

■各layerでの学習
各layerごとの学習のスピードは結果(振る舞い)にcriticalな影響をもたらすだろう.
このとき,そのパラメータをどう設定するかについて直感的に3つのアプローチが浮かぶ.

i) 実証研究から決定する
ii) 決定的なパラメータとして所与とする
iii) それ自体が探索対象として,学習を行わせて,決定する

i)は文献調査,ii)は探索的パラメータ決定,iii)は規範的なアプローチが特徴.
全てをやって,ii)とiii)を中心に利用する.

■実証研究とシミュレーションベースの研究の違い
実証研究は観察者としての視点から,その変化を分析する.
シミュレーションベースの研究は組織内の変革者としての視点から,その変化を起こすことを目的とする.
ということが一般にいえるような気がする.

■resource-based viewとorganization learningの関係
resourceの制約を乗り越えるための企てとしての組織学習という考えが,RBVには暗黙的に含まれているのではないか?とおもった.
とりあえずバーニー大先生のpaperを読んでみよう.

Posted by ysk5 at 11:27 PM

ネコソギラジカル (上) 十三階段

西尾 維新.「ネコソギラジカル (上) 十三階段」.講談社,2005年.

きのう買って,きょう読んで,ごちそうさま.
おいしゅうございました.

ジャンプの最終回的なノリだけど,ジャンプの3要素は微塵も無し.

さてメモ.

このイントロがたまらない.
物語の記述については,作者の考え方がでている.
たしか西尾さんはキャラが動いていく派だったような気がするので.

さあ.
それじゃあ,最後の物語だ.
これでおしまい,完結編.
どこをとってもお祭り騒ぎ,
隅から隅まであますところなく,根こそぎにラジカルな物語.
いつものように,
いつもよりなお,
気楽にくだけて,
気負わず背負わず,話してみよう.
語るべき世界なんて既になくても,
それでも,物語は存在するのだから.
(pp.11)

この挨拶は気に入りましたので,使っていきたい所存です.
「では,息災と,友愛と,再会を」
(pp.27)

Posted by ysk5 at 05:14 PM

February 07, 2005

さてきょうも

バルサは負けたが支持候補は勝ったので,もりもりと仕事をしたい.

西東京市長に坂口氏初当選 (6日の区長・市長選) - asahi.com : 政治

でけた.暫定シート.

これから研究室いって,でかい画面で動作や色合いをチェックしてみる.

暇な人がいたらreviewしておくれ.
OOoで出力したのでアニメーション系がアレな感じになっていますが,意図を感じ取る方向で.

研究室いってきた.
ちょうど4年生の発表がほぼ終わっていたので,研究室はアルコール臭かった.

センセにpptをみていただいて,イインジャネーノとコメントを頂いたので,工場長の人とぬんできた.

で,帰りに地元の駅で牛丼食べて,おうちでイチゴ大福食べながら,これをメモと.

Posted by ysk5 at 10:11 PM | Comments (0)

February 06, 2005

ブリバリとお仕事中

たぶん.

9時30分現在の出来.
これからちょっとアルコール分を摂取してみる.
ジョニーとコーラと砂肝の薫製.

誰かreviewして意見をください.

Posted by ysk5 at 09:37 PM | Comments (2)

ものすごい勢いでお仕事中

になる予定.これから.

軽くウォーミングアップしてみた結果が下.

Posted by ysk5 at 07:44 PM

February 05, 2005

卒研/修論発表練習

2日連続.8時間くらい.

連投きかないので,つかれた.
いつもの050206memo.zip

あしたは自分の仕事をしたい所存.

Posted by ysk5 at 10:22 AM

February 04, 2005

卒研/修論発表練習

11:00 - 19:30でほぼ8時間.

お疲れさまでした.
いつものアレ.050204memo.zip

工場長の人とちょっとだけぬんできた.

あしたもあるらしい.
いきますけど.
一日仕事(自分の研究)したかったんだけどな.

Posted by ysk5 at 09:31 AM

February 03, 2005

ファンタジーなロールのプレイング進捗状況(4)

第4章終了.

レベルは20くらい.

フィリーいいよフィリー.

Posted by ysk5 at 10:29 PM

読売新聞を3ヶ月間購読してみて

先日契約期間が切れたみたいで,きょう営業のかたがいらっしゃったので.

タオルをいただきました.
黒い事情は察していただいたみたいなので,継続はなしということで.
また苦しいときにお願いします,とのお話をいただきました.

”どうでした読売?”とご質問いただいたので,
人生案内が面白かったです.”とお伝えしたところ,苦笑いされてらっしゃった.

いや,ほんとに面白いんですけど.
これになら月150円くらいはペイします.

Posted by ysk5 at 08:25 PM

ダックスフントのワープ

藤原 伊織.「ダックスフントのワープ」.文藝春秋,2000年.

藤原さんはこういうのもかけますか.
短編集なんだけど,全部たのしめた.

ちょっと思ったのだけど,藤原さんの作品にはいい意味で音がない(静かな)ような気がする.
それが作品自体の雰囲気を高めているような.
あと,日本語がうますぎる.

そんな話とは関係なく,メモ.


「いいかい.人はギリギリのところまでいったら,いつだって独りぽっちでなにかを決めなきゃいけないときがくるんだ.ほんとうに心に思う人であっても,親
友でも,受けとる受けとらないは別にして,傘を提供するかしないか決めるのは,結局,自分自身しかないんだ.いつか,きみにもそういうときがやってくるか
もしれない」
(pp.112)


「あんた,むかしから変わってないなあって.そう思ってたの.だっていつでもそうだったもんね.世間になんか興味ないって顔してたもん.だから,むかしの
友だちが死んだって興味ないんだ.あんた,いつも周りを観察してるだけだったもんね.自分がどうしたら世間と関係ないとこにいられるか,そればっか考えて
いたんだよね」
(pp.145)

Posted by ysk5 at 09:39 AM

February 02, 2005

PSPの■ボタンが確かに押しづらい件について

大学が契約しているので日経ビジネスはPDFファイルがゲットできます.
なので,”PSPのアレは仕様ですから”発言の記事を保存しておいた.
# あと中村修二センセの敗軍の将,兵を語るも保存しておいた.敗軍の将面白いよ敗軍の将.

僕はデジタルドリームキッズですので,いかにアレだろうと文句は言いませんとも.
まあRPGするのと,mp3プレーヤとしてしてしか使ってないので不満が出ないのだけども.

Posted by ysk5 at 11:16 PM

多分春休み

きょう唯一のテストが終わったので,これで春休みだと思うことにした.

ひきこもりでとじこもりでふさぎこみな人間の夕方からの生活.

おおきく振りかぶって(3)

プラネテス(9)

攻殻機動隊SAC2(10)

藤原伊織の短編

わるくない.

Posted by ysk5 at 09:47 PM

February 01, 2005

卒論提出日

でした.

Posted by ysk5 at 07:35 PM